頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

医学の初歩の初歩を学んだ気分になる - 書評: 茨木保『人体の不思議』

書店でたまたま見かけて興味をもち、茨木保の『人体の不思議』を読んでみました。医学系の簡単な入門書に目を通してみたいという思いだけはずいぶん前からもっていたものの、他の興味の前になかなか具体的な行動に起こさずにいました。そうした中で、この本に出会いました。

 

他の本と比べることができないのであまり正確なことは言えませんが、医者の手になる漫画ですので、本当に大切なことはしっかり書かれているのだろうと思います。その一方で、気軽に読むことができ、しかも絵ですので理解も容易です。

 

また、学術的な視点よりはむしろ、各々の知見がどのように得られたのかという科学史的な観点からの記述が多くありました。どのエピソードも大変面白く描かれていました(実は私は学生のころ科学史を専攻していたので、その記述がはたしてどのくらい正確なのかということが気になってはしまいましたが)。

 

内容のレベルとしては、高校の生物より少し高度といったところでしょうか。しかし、説明が明快なので、難度としてはむしろかなり低いです。最低限の教養を身につけるためといった気持ちで読んでみるのをおすすめします。

 

 

まんが 人体の不思議 (ちくま新書1256)

まんが 人体の不思議 (ちくま新書1256)