西洋美術史をマーケティングする - 書評: 木村泰司『世界のビジネスエリートが身につける教養西洋美術史』
少し前に話題になっていた、木村泰司の『世界のビジネスエリートが身につける教養西洋美術史』を読みました。西洋美術史の本はずいぶん前にではありましたが何冊かすでに読んだことがあったので、半ば復習のようなつもりだったのですが、聞いたことがないと思った情報が多く、新たな気持ちで楽しめました。
特定のテーマにあまり深入りすることはなく、西洋美術史の大きな潮流を、それが生じた背景を中心に簡潔に説明しているので、要点を効率よく学んでいくことができます。
こうした本がこれまで他になかったかといえば、必ずしもそんなことはないと思います。しかし、西洋美術史をビジネスパーソンに対して教養として提示することで、ずっと大きなマーケットを対象にしているという点が、際立った特徴でしょう。そこに書かれている内容はもちろん、そのマーケティングの手法を見る上でも、読んで損はないと思います。