頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

銃を突きつけられたとき何と言われれば安心か

前回、「動いたら撃つぞ」と言われて動かなかったとしても、「論理学的には」撃たれる可能性がないわけではない、といったことを書きました。それでは、どういう表現だったらよいのでしょうか。

 

銃を向けられて脅かされている側としては、確実に撃たれないという保証がほしいものです。そのためには、撃つことが嘘をついたことになるような発言が望ましいです。このためには、撃つ条件をいくら並べたところで無意味で、撃たないことを約束してもらわなければなりません。つまり、「…ならば撃たない」という形式であることが必要です。

 

一方、撃たない条件については、脅されている側にとっては、簡単に実現できるものであるとありがたいです。そうは言っても、条件など無数にありえるのですから、いまは動くか動かないかということだけ考えましょう。「動けば撃たない」でも無理ではないですが、自由を突きつけられた状態でこんなことを言われると、パニックに陥りそうです。いまなんと言ったのか、こんなときには「動くな」と言われるものではないのか、しかし「動け」と言われた気がするぞ、動くといっても具体的に何をすればよいのか…

 

そうすると、やはり、「動かなければ撃たない」というのがよさそうに思います。「動いたら撃つぞ」と言われたら本当に動かないのが得策かどうか考えなければなりませんが、「動かなければ撃たない」と言われれば、安心して動かずにいるべきです――論理学的には。