頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

変化をもたらすために自身を変えられるか? - 書評: 伊神満『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』

伊神満の『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』を読みました。話題になっている本だけあって、なるほど語り口が軽妙で、分かり易く説明がなされていました。 イノベーションにおいては、 1. 新しいものをつくっても自社の既存の製品との共喰いをして…

非日常に注力するために習慣を決める

身を取り巻く環境が変わって、習慣というものの大切さを実感しています。新しいことばかりの毎日は楽しいかもしれませんが、疲れてしまいます。疲れていては、せっかくの新しいことも、十分に楽しめないかもしれません。そうならないよう、頻繁に起こる出来…

石川理紀之助生誕の地でその克己の生涯に思いを馳せる

十年近く、ずっと秋田を訪問したいと思っていたのですが、これまでその機会がありませんでした。ところが、転職してすぐ、不意にその機会をえることができ、いままさにその地にいます。 なぜ秋田を訪問したかったかというと、そこが石川理紀之助の生地だった…

ORを学ぶための最初の一冊 - 書評: 大村平『ORのはなし』

いろいろな機会にOR(オペレーションズ・リサーチ)の技法を学んだことはありましたが、ORの参考書などで学んだことはなかったので、どういう分野があるのかと興味があって読んでみました。 内容はあまり難しくはありませんが、社会のいろいろな現象を数学的…

新しい環境に慣れるために自分を知る

環境が新しくなると誰でもストレスを感じるものと思います。私も、転職直後で、ストレスを感じています。私が平日に不在にしている時間が増えたことで、家族もストレスを感じているはずです。早く慣れることを願うばかりです。 私自身については、あまり心配…

自分の目標と家族の幸せ

新しい会社に移って一週間が経ちました。最初ですので、まだ仕事らしい仕事はほとんどないのですが、新しい環境に疲れました。 何が一番変わったかというと、会社の規模です。私が以前勤めていた会社は、大企業というわけではありませんでしたが、それでも業…

巨大企業はどのように人間の欲望を糧にしたか - 書評: スコット・ギャロウェイ『the four GAFA』

スコット・ギャロウェイの『the four GAFA』を読みました。GAFA(google、apple、facebook、amazon)がそれぞれどのような理由により怪物的なサイズの企業へと成長したかが論じられています。 たとえばappleであれば、スティーブ・ジョブズが死によって半ば…

通勤時間は自分のために、家にいる時間は家族のために

転職して最初の出勤日でした。 新しい仕事がどのようなものか、当然分かりかねています。ただ、通勤時間の変化の影響は、すでにはっきりしているように思います。 以前は車通勤で、職場までは30分ほどでした。今日からは、電車での通勤で、徒歩の時間も含め…

非日常と日常とで変わらないこと

この三連休では家族で旅行に行く予定でした。新しい仕事を始めるまでの、たった三日間の中継地点ですが、それを家族みなで日常を少し離れて思い出になることをしようと考えたのです。 ところが、あいにく子どもが熱を出してしまいました。あまり体調が悪そう…

退職の日

ついに、退職をしました。最後の日には送別会を開いていただきました。自分の勝手で退職したのに、快く送り出していただいて、ありがたいことです。 転職しようと思った理由はいろいろとありますが、学び続け、変化し続けたいと望んだことが大きいです。いま…

人が働く理由と自分が働く理由

働く理由は人それぞれに異なるはずです。同じような理由のために働いている人同士であれば、目標とか問題意識とかを共有することもできるのかと思います。しかしそうでない場合は、意思決定をするにも大変な時間がかかるばかりか、決定ができなかったり、当…

人智の及ばない知能を人間がつくるということ

最近よくAIが世の中をどう変えるかということを人と話します。たくさんの仕事がAIで代替されるようになるかもしれないとか、経済効果がどのくらいかとかいったことがテーマになりますが、私はこうした問題にはあまり関心がありません。それよりは、AIがシン…

転職を前に日常を楽しむことの価値

退職前の最後の一週間を過ごしています。社内でお世話になった人や取引先に挨拶をしたり、仕事の引き継ぎをしたりと、忙しい日々が続きます。前もって準備をしておけばよかったと思うことは多々ありますが、少なくとも誰かに大きな迷惑をかけるということは…

社会の縮図としての学校の価値

子どもにどのような教育を受けさせるかは、多くの親が真剣に考える問題です。私は、アンスクーリングに惹かれるくらいなので、あまり学校教育に期待していません。子どもを従順に規格化してしまうような日本の教育は、害のほうがよほど大きいと考えています…

デザインあ展の感想

日本科学未来館で開催されている、「デザインあ展」を見てきました。日曜だけあってさすがに混雑していましたが、落ち着いて見られないほどではありませんでした。 一番面白かったのは「体感の部屋」です。ここでは、デザインあの番組と同じ映像が、しかし部…

一日を無駄にしないためにほんの少しの決断をする

退職の日が近づいてきたため、最近いろいろな人に夕食に誘っていただいています。自分の勝手で辞めようとしているのに、最後まで親しく接していただいて、ありがたいことです。 さて、人と食事をすることはよいのですが、やり方によってはその翌日に問題が生…

アンスクーリングというチャンス

最近、アンスクーリングというものを知りました。子どもが、学校に行かずに、自分の興味の向くままに、やりたいことを徹底的にするというものです。日本ではおそらく簡単には認められないでしょうが、アメリカではいくらかの実例と実績があるそうです。 これ…

自分の価値観に忠実でありつづけること

昨日、同じ会社の海外で働く人たちに退職の挨拶を送りました。するとありがたいことに多くの返信をいただいたのですが、すべてに目を通すことはできませんでした。その中の一通に心動かされ、思わず涙ぐみそうになり、それ以上は読めなかったからです。 帰宅…

志向性は情報の受け手がいてはじめて生じる - 書評: 戸田山和久『哲学入門』

戸田山和久『哲学入門』第4章について。この章のテーマは表象で、とくに、表象が何かについて志向することができるという、志向性について議論されます。生きものが(第3章で論じられたように)自然の中に流れるものとしての情報を取捨選択し、独特の仕方…

情報の定義とは何か? - 書評: 戸田山和久『哲学入門』

戸田山和久『哲学入門』の第3章について。この章は、情報がテーマでした。 シャノンは、通信の理論をやりたかったから、もちろん、情報源が次々と記号を生み出していくという事象だけを念頭に置いていた。しかし、もともとは情報源に対して定義されていたエ…

先祖に思いを寄せる

今日は法事のために親族が集まる機会がありました。そこで一族のルーツがどこにあるのかということが話題になったのですが、どうも、織田信長に仕えたある武将に由来するようです。農業を営んできた家系なので、何のいわれもないものとずっと思っていました。…

言葉を定義する目的は - 書評: 戸田山和久『哲学入門』

戸田山和久『哲学入門』の第2章について。この章のテーマは「機能」で、第1章で紹介されたミリカンの本来の機能を題材として、哲学の仕事は何かという大きな問いを扱っています。 わたしが面白いと感じたのは、概念分析でない、理論的定義による概念は、同…