頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

人を改めて知る場としての結婚式

結婚式や披露宴というものは、消費するエネルギーの量を考えると、やらないほうがよいのではないかと思ってしまうのですが、いざ出席してみると、なかなかに感慨深いものです。とくに思うのは、私はその新郎の、または新婦のことを、知っているようでいて実は本当は知らないのだということに気づかされることです。

 

ふだん接しているときの相手の姿は、あくまで私に接しているときのその人でしかありません。それなのに、その一面だけを見て、私たちはその人の全体を知っているようなつもりになってしまいます。いつも明るい人が実は別のところで大きな問題を抱えていたり、無愛想な人が実は家族に対しては優しい夫や父親であったりするかもしれないのに。

 

今回の結婚式では、とくに強くそう思いました。新郎とは古くからの付き合いで、どういう人生を送ってきたのかよく知っていました。それでも、家族とか仕事といった面で経験してきた苦労を、本当には知らずにいたのだということを、痛感させられました。

 

自分の想像の至らなさを恥じるとともに、友人への尊敬の念を新たにした、思い出に残る結婚式でした。