頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

退職する理由を会社に伝えることの難しさ

以前にも書いたように、私はいま、勤め先を去ろうとしています。今日は上司と引き継ぎの具体的なスケジュールを話し合いました。その中で、やはり「どうして転職するのか」ということは話さねばなりません。 

 

私が転職するのは、そうすることでより世の役に立つ仕事ができるようになると考えているからですし、それが私自身のやりがいにもつながるとも思うからです。いまの会社に不満があるからではありません。

 

もちろん、辞めるからには、全く不満がないというわけではありません。そもそも、よりよい環境を目指している限りは、全く不満がないということはありえないでしょう。どのような選択肢にも不満は生じるはずで、だからこそそれぞれの利点も含めて比較し、その中でも最善のものを悩みながら選ぶしかありません。

 

何かしらの不満をもつ一方で、組織に愛着をも感じているならば、別れのときには、その組織のためにも何が不満であったかを――たとえそれが袂を分かつ理由ではないとしても――伝えたいと思うのが人情でしょう。私はそうしました。そして残念なのは、私が去ろうとする理由がその不満のためであると思われてしまったかもしれないということです。

 

もちろん、私は私自身の理想のために去ろうとしているのだということを、繰り返し説明しました。それでも、会社としては、どうしても自分たちに対する意見の方を重く捉えてしまうのでしょう。とくに、会社としてもそれが解決しがたい問題と認識していたことであっただけに、なおさら重く受け止めたのかもしれません。

 

退職までの間に、できる限り多くの人と、できるだけ多くの話をして、これまでともに働いてきた人たちのために何かしらの貢献ができれば、こんなに嬉しいことはありません。