頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

人に夢を与える仕事

いま、退職の理由をいろいろな人に説明する日々を送っていますが、自分なりに納得のいく説明をすることはなかなかできていないと感じています。じっくりと話す時間があれば、思っていることの大半は説明できる。でも、ごく短い時間で――極端には一言で――説明せねばならないとき、満足な説明はできていません。

 

たった一つの理由のために仕事を変えようとしているわけではありません。三つや四つでもない。自分にも意識できていない理由も含めて、数多くの理由の中で、どれをどのように語るべきかという問いに、なかなか答えを見つけられずにいます。

 

いま、あえて一つだけ挙げるとするなら、「人に夢を与えられる人間になりたい」という思いが、一番自分自身にとってしっくりくる説明です。これは、昨日退職のことを告げた取引先の相手の方が、一緒に仕事ができてよかったと、涙を流してくださったことで気づいたことです。私にとっても、その方と一緒に仕事をすることは本当に楽しかったですし、不遜な言い方かもしれませんが、私は多少なりともその方に目標を、あるいは夢を与え、それに向けてともに邁進することができていました。

 

別れは寂しいですが、新しい仕事ではもっと多くの人と夢を共有できるはずだと信じています。だからきっと、自分の決断は間違いではなかったのでしょう。