頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

退職届という儀式は必要か

最近、退職届を書きました。

 

初めてのことなのでどうしたものかと思い、ネットで調べて見よう見まねで作りました。冠婚葬祭なども含めて、こうした儀礼的な手続きでいつも不思議に思うのは、退職届のような書式が指定されていないものにすら、現実には、よしとされる模範的な形式があるということです。

 

私の率直な意見としては、「私儀」といった日常的には全く使われない文言を用いるべきといった「常識」は、文字通りに形式的すぎて、一般的な社会人の感覚とは遊離してしまっており、あまり意味がないと思います。公式な文書として退社の意を表示しそれを保管する必要があるとしても、もっと別の、多くの人が違和感を覚えない手段を用いることはできるはずです。

 

退職するということは個人にとっても会社にとっても重大なことであり、特別な敬意を表すべきだという議論はありえます。それにしても、ネットや本で調べてきた文章をほとんどそのまま用いるのであれば、そうして作られた文書は特別なものにはなりえません。

 

別に退職届が悪いとは言いません。しかし、私としては、わざわざ手間をかけてそれを準備するよりは、そのための時間を引継ぎや人事との議論といったことに費やした方が、より会社のためにも自分自身のためにもなると思わずにはいられません。