頭の中に種をまく

その時々に読んだもの、見たもの、聞いたものについて考え、紹介します。

書評: 戸田山和久『哲学入門』 (1)

戸田山和久の『哲学入門』を読み始めました。この本は以前にも読んだことがあるのですが、内容を復習し、よりよく理解したいと思ったので、読み返すことにしました。

 

タイトルこそ哲学入門ですが、より正確には、現代哲学の入門書です。過去の哲学者は――プラトンアリストテレスはもちろん、ニーチェフーコーといった人々すら――登場しません。いままさに活躍している哲学者たちの議論を追いかけるものです。さらに正確には、唯物論の立場から重要な哲学的概念を自然化することを目的としているという点で、特定の立場に立った、特定の文脈での議論のみがなされています。

 

それでも、自然化という現代哲学のテーマについて、これほどの分量を分かりやすく書いた本は、私の知る限り他にはありません。また、私は哲学にずっと興味があり、大学院では科学史・科学哲学を専攻していたので、哲学についてもとくに専門に近い分野についてはある程度は知識をもっているつもりではいるのですが、いままさに議論がなされている分野となると、不勉強でした。そこで、もう一度しっかりと読み通して、勉強しなおそうと思った次第です。

 

 

哲学入門 (ちくま新書)

哲学入門 (ちくま新書)