ファイナンス入門の入門 - 書評: 朝倉祐介『ファイナンス思考』

流行のビジネス書ですし、私自身もファイナンスに興味があったので読んでみました。

もともとファイナンスは中小企業診断士の問題集などである程度は学んでいたこともあり、内容はすっと入ってきました。そうでなくとも、本書はファイナンス入門の入門といった位置づけの内容なので、まったくファイナンスの知識がなくとも理解できないということはないと思います。

会計とファイナンスの考え方の違いや、どうしてファイナンスの考え方が必要なのかという根本の部分が、様々の実例とともに紹介されているところがよいです。理論だけ書いてある教科書では、試験問題を解くことはできるようになっても、現実にファイナンスを用いるというのがどういうことかは実感できないかもしれません。本書は、理論的な部分に触れることはあまりありませんが、ファイナンスの考え方を現実に応用するのがどういうことかは丁寧に解説されています。

ファイナンスに興味があるけれども学んだことはないという人には、とっかかりとしてちょうどよいかと思います。もし、反対にもう少し理論的なところから入りたい場合は、『ざっくりわかるファイナンス』のほうがおすすめです。