働くことの義務と権利
私は一年弱ですが、フランスで働いていたことがあります。社会人となって間もないころに出向したので、フランスでの働き方が世間一般での働き方だと思っていたのですが、日本に帰ってから、どうもそうではないようだと理解しました。
フランスは権利の国であり、一方で労働は義務です。労働という義務に対しては、休暇という権利が与えられますし、対価として給与が支払われます。サービス残業というものはありません。週の労働時間は35時間や37時間で、それを万一超過すれば管理者が責任を問われます。
私の勤務先はフレックスタイム制だったので、各々好きな時間に来て好きな時間に帰っていました。だいたい、8時から9時の間に始業する人が多かったです。17時には、オフィスに残っている人はほとんどいませんでした。
一度、同僚が、「昨日遅くまで働かなければならなかった」と愚痴を言ったことがありました。19時までオフィスに残っていたと言うのです。周りでそれを聞いていた人たちは、それは酷い、仕事を課されすぎだと、憤然としていました。
この怒りが当然のものとして受け入れられる日が、日本に来るでしょうか。そうあってほしいと願っています。
現代フランス社会を知るための62章 (エリア・スタディーズ84)
- 作者: 三浦信孝編著,西山教行編著
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