現代の子育て事例集 - 書評: 『NewsPicks Magazine vol. 3』
NewsPicks自体は私は利用していないのですが、最近書店でたまたま見かけた『NewsPicks Magazine』を購入しました。「未来の子育て」というテーマに興味を惹かれたからです。
買って正解でした。父親として、子どもをどのように育てるかということは日ごろから考えています。その見本となる事例が多々収録されていて、大変興味深く読みました。
やはり、と思ったのは、子どもをあまり束縛せず、好きなものにのめりこめるよう自由に育てるのがよい、という意見がほとんどであったことです。私自身も、自分が子どもだったころの経験から、自分の子どもはそのように育てようと思い、実践してきました。私の子どもはまだ二歳になったばかりで、何をしたいと言葉で伝えることはほとんどできないのですが、それでも、多少のいたずらなどには目をつぶり、散歩中に道端に落ちているものに気を取られたら一緒に立ち止まり、乗り物が好きなようなので休日は鉄道博物館などに連れて行く、といったことをしています。
その一方で、そこまでやるのかと驚いたものもたくさんありました。たとえば、シリコンバレーのイマージョンスクール。イマージョンとは、幼いうちから外国語環境に浸らせることだそうですが、こうした学校では幼稚園生・小学生に、英語プラススペイン語、英語プラス中国語といったバイリンガル教育を施すのだそうで、さらには、子どもが中国語を話せるようにするべく、中国語しかできない人を子どもの世話役にした夫婦の例も挙げられていました。
私はネイティブではないものの、一応日本語を含めて三カ国語が話せます。外国語ができるメリットは承知しているつもりです。それでも、あえて子どもをバイリンガルやトリリンガルにしようと思いはしません。外国語を覚えることは負荷が高く、それ以外の分野での学習を妨げるのではないかと心配だからです。発音については幼いうちに聞き分けられるようにならないと後々大変なので(私も英語のlとrは、発音はできても、あまり聞き分けられません)、これはやっておこうと思っていますが、幼いうちに二つの言葉が使えるようになることにはメリットがあるのか判断しかねます。
この雑誌には、他にもいろいろな教育論が披露されています。子どもをどう育てるかに関心のある人には、ぜひおすすめしたい一冊でした。